1.バストアップには乳腺の発達が必要不可欠
バストの大きさや形は人それぞれ異なり、バストのサイズが小さいことに悩んでいる方は少なくありません。また、バストサイズは遺伝によるものだから仕方ないと感じている方もいるでしょう。しかし、実際はバストのサイズはさまざまな要因によって決まり、母親や姉妹はバストが大きいのに、自分は小さいという方もいます。バストアップを目指す前に、まずはどのようなことがバストサイズに影響しているのか知っておきましょう。
下記では、バストのサイズを決める要因をいくつか紹介します。
遺伝 |
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バストサイズは親の遺伝による影響も多少ありますが、バストへの影響は30%程度と言われているため、遺伝はバストサイズへの大きな要因とはなりません。それよりも冷えや過度なダイエット、偏食、ストレス、喫煙など後天的な要因がバストサイズに影響していることのほうが多いと言えます。 |
姿勢 |
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普段から姿勢が悪いとバストにつながる血管を圧迫し血流が滞り、栄養やホルモンがバストに十分に届けられなくなり、バストの発達に影響します。 |
生活習慣 |
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バランスの取れた食事を摂る、ストレスを溜めない、良質な睡眠を取る、規則正しい生活を心がける事で、バストアップに必要なホルモンがバランスよく分泌されます。 |
バストアップを目指す上で重要となってくるのが、バストの中に放射状に存在する「乳腺」という組織の発達です。乳腺は母乳をつくる小葉と、母乳を乳頭まで運ぶ乳管で構成されていて、乳房は、乳腺組織と、それを支える結合組織、脂肪組織などから構成されています。乳腺組織と脂肪組織の割合は、年齢や個人差が大きく、様々です。
バストの脂肪は乳腺をクッションのように守る働きがあるため、乳腺が発達しているほど脂肪が増え、バストが大きくなるというのがバストの成長の仕組みです。
2.乳腺の発達に関係するホルモンと受容体
バストサイズを決める要因の1つとなる乳腺の発達は、女性ホルモンや成長ホルモンの他、ホルモン受容体と深い関わりを持っています。以下では、それぞれのホルモンの働きやバストとの関わりについて解説します。
2-1.エストロゲン
女性ホルモンと呼ばれるホルモンには2種類あり、卵胞ホルモンと呼ばれるエストロゲンがその1つです。卵巣から分泌され、生殖器官の発育や維持・自律神経の安定、肌を美しくしたり女性らしい丸みのある体型を形成したりなど、さまざまな役目を担っているため「美容ホルモン」とも呼ばれています。バストの発育においても乳腺細胞を増殖させる働きがあるので、バストアップを目指す上で大切なホルモンの1つです。
出典:厚生労働省 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「女性はライフステージごとに女性ホルモンが大きく影響する?!」
エストロゲンは思春期頃に急激に分泌され、23歳頃に分泌のピークを迎えます。その後徐々に分泌が低下していくので、バストアップを目指すためには分泌を低下させない対策と、分泌バランスを整えることが大切です。
2-2.プロゲステロン
バストアップを目指す上で大切なもう一つの女性ホルモンが、黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンです。卵巣から分泌され、体温を上げたり子宮内膜を安定させ妊娠を成立させたり、乳腺を発達させたりする働きがあることから、プロゲステロンもまたバストアップを目指す上で重要な鍵を握るホルモンです。
出典:厚生労働省 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「女性はライフステージごとに女性ホルモンが大きく影響する?!」
分泌量はエストロゲン同様、プロゲステロンも23歳頃に分泌のピークを迎えると徐々に分泌が減っていくため、バストアップを目指す上で分泌を低下させない対策と分泌バランスを整えることが大切です。
2-3.成長ホルモン
成長ホルモンは脳の下垂体という部分から分泌され、人間の体を一生に渡って支えるホルモンです。小児期には骨や筋肉などの各器官を成長・発達させ、思春期には性的な成熟を促す役割を性ホルモンとともに担います。17歳頃に分泌のピークを迎え、その後も少量ながら分泌され続けます。
出典:nordicare® AGHD「成長ホルモンのはたらき」
新しい細胞をつくるなどカラダの成長に深く関わっており、乳腺の発達にも必要なホルモンのため、女性ホルモンと成長ホルモンによる作用が十分に発揮される状態に導くことがバストアップのポイントとなります。
2-4.ラクトゲン受容体
ラクトゲン受容体は、乳腺にある女性ホルモンや成長ホルモンから情報を受け取る受け皿のような存在です。女性ホルモンや成長ホルモンがラクトゲン受容体と結合することで、乳腺が発達しバストが大きくなります。
ラクトゲン受容体は主に10~17歳頃につくられますが、個人差が大きく20~30歳くらいまでの間につくられる方もいます。バストが成長しだす13歳頃までにラクトゲン受容体がつくり上げられていると17歳くらいまでにバストが成長します。
もし成長期にバストが十分に成長しなかったという方は、ラクトゲン受容体がつくられるタイミングが遅かったことが考えられます。そのような方の場合は、女性ホルモンの分泌バランスを整え、成長ホルモンの分泌を促すことで、今からでもバストアップを目指すことは可能です。
3.バストが成長する仕組み
バストの成長はホルモン分泌が活発になる思春期頃に始まります。20代頃に大人の女性としての体が完成し、そのときにバストのサイズが決まると言われています。ただし、大人になってもバストのサイズを左右するホルモンは分泌されているため、バストの発育を促すことでさらなるサイズアップも期待できるでしょう。
以下では、バストの成長の仕組みや過程をより詳しく解説します。
3-1.思春期
10〜15歳になるとエストロゲンが急激に分泌され、エストロゲンとプロゲステロンの作用により乳腺(乳管・小葉)の発育が始まります。まず乳頭から膨らみ始め、乳腺が発達していくと、乳腺を保護するためにクッションの役割で組織の周りに脂肪がつきます。このバストが膨らむ仕組みはバストアップでも同様です。乳腺を発達させることで脂肪がつき、脂肪がつくためバストが大きくなります。
大人の女性のバストは全体的にふっくらと膨らんでいますが、思春期のバストの成長過程では乳頭を中心に円錐形で成長していくのが特徴です。発達した乳腺の周りに脂肪がしっかりとついていくことで、女性らしい丸いバストの形が形成されていきます。
3-2.成人期
バストが成長する仕組みは、乳腺の発達により乳腺の周りに脂肪がつくことです。その仕組みは思春期にバストが成長していく過程と大人になっても変わりません。
成人期になると思春期の頃に比べて、バストのサイズに関わる女性ホルモンの分泌量は減少します。そのため、成人期からバストアップを目指したい場合は、正しい方法で女性ホルモンの分泌バランスを整え、成長ホルモンの分泌を今以上低下させない対策が重要なポイントになります。
まとめ
バストのサイズは遺伝の影響はあまり関係なく、姿勢・生活習慣などさまざまな要因によって決まり、乳腺の発達がバストサイズに深く関わっています。バストアップを目指す上で乳腺の発達が必要不可欠な理由は、乳腺が発達すると乳腺を保護する役割で脂肪が増え、バストが大きくなるからです。
乳腺の発達は女性ホルモンや成長ホルモンが分泌され、ラクトゲン受容体がホルモンの情報を受け取ることで発達します。正しい方法で女性ホルモンの分泌バランスを整え、成長ホルモンの分泌を今以上低下させない対策がバストアップの重要なポイントになります。
正しい知識と方法を知ることはバストアップの近道になります。セルフケアで限界を感じる場合は、プロのケアに頼るのも一つです。
メディカルサロンM.M.Mのバストアップ法は、バストの発育理論に基づいて考案された方法です。女性ホルモンリズムに着目した独自のメソッドで、自然な育乳を目指せます。
ソシアス美緒
リアルビューティークリニック院長
■日本形成外科学会会員/日本美容外科学会会員/国際美容医療研究会会員/日本美容医師会会員/日本アンチエイジング外科 美容再生研究会認定医
■平成17年より医師として美容 医療にたずさわる。平成24年より東京皮膚科形成外科勤務。
自然で美しいアンチエイジングを目標に、美容皮膚科から美容外科まで幅広い治療を担当。
自然な注入治療や切らない眼瞼下垂手術などアンチエイジングを目的とした治療が得意で、特に顎や唇の造形にはこだわりがある。