1.クーパー靭帯とは?傷付くとどうなるの?
クーパー靭帯とは、肋骨・大胸筋・乳房・皮膚をつなげて支えている結合組織です。コラーゲンが主成分となっており、脇に乳腺や脂肪が流れないようにする役割を持っています。
クーパー靭帯は、負担に弱いことが特徴です。月経期間中や授乳期間中の乳房の膨らみ程度であれば対応できます。しかし、激しい運動や衝撃、バストの揺れなどでクーパー靭帯に大きな負担がかかると、伸びたり切れたりする原因となります。
以下では、クーパー靭帯が伸びたり切れたりするとどうなるのかを解説します。
1-1.バストが垂れる
クーパー靭帯は通常、筋肉や乳房、皮膚などにつながってバストを上向きに支えています。しかし、クーパー靭帯には、伸び縮みするほどの伸縮性はありません。そのため、クーパー靭帯が傷付くと、バストを支えていた力が弱くなり、バストが垂れる原因になります。
バストの位置が下がると老けて見え、垂れたことでバストのハリが失われるおそれがあります。バストが支えられないので、バストの重さによって首や肩の凝りにつながることもあるでしょう。
1-2.バストの形が崩れる
クーパー靭帯が傷付くことでバストの支えがなくなると、クーパー靭帯によって保たれていた上向きのバストの形が崩れます。もともとクーパー靭帯によって同じ位置で支えられていたバストの脂肪が脇や背中に流れて、離れ乳の原因にもなるでしょう。
ふっくらとボリュームのあったバストの形が崩れることで、バストサイズが小さくなったように感じる方も中にはいます。
下記の記事では、クーパー靭帯とはなにか、またクーパー靭帯が傷付いているか確認する方法などを詳しく記載していますので、ぜひ併せてご覧ください。
2.クーパー靭帯は損傷すると元に戻らない!
クーパー靭帯は体の組織の1つであるため、傷付いても修復されるのではと思われる方もいるでしょう。しかし、クーパー靭帯は自然治癒によって修復されず、今の美容整形技術をもってしてもクーパー靭帯の修復は不可能と言われています。一度切れたり伸びたりすると元には戻らないため、今あるクーパー靭帯を大切に維持することが大切です。
なお、クーパー靭帯は伸びたり切れたりしても痛みを伴わないため、何気なく生活していて気付いたらバストが垂れてきていたということもあります。日頃からクーパー靭帯が傷付かないような生活・習慣を送ることが、きれいなバストを保つコツです。
3.クーパー靭帯が損傷する原因・悪習慣5つ
普段の何気ない生活で、知らず知らずのうちにクーパー靭帯に負担をかけている方は少なくありません。クーパー靭帯は修復不可能なため、長く美しいバストを維持したいのであれば、クーパー靭帯が切れる原因となる悪習慣を断ち切ることが大切です。
ここからは、クーパー靭帯が切れる原因となる悪習慣を5つ紹介します。
3-1.ブラジャーを着用していない
ブラジャーは、胸を支える役割を果たすアイテムです。ブラジャーを着用しない、いわゆる「ノーブラ」の時間が長ければ、クーパー靭帯の負担も徐々にかかることになります。
就寝中は横になるため、立っているときよりもクーパー靭帯に負担がかかりません。そのためブラジャーを着用せずに寝る方も多い傾向にあります。しかし、横向きで寝ると少なからずクーパー靭帯に負担はかかるため、就寝時はなるべくナイトブラを着用することがおすすめです。
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3-2.ブラジャーを着用せずに運動をしている
クーパー靭帯は、運動や衝撃によっても負担がかかります。特に、バストが上下左右に激しく動く運動は、クーパー靭帯に大きな負担をかけるため、なるべくバストの動きをサポートできる補整下着を着用して運動しましょう。
運動中は大きく体を動かしたり汗をかいたりするため、なるべく着用感のあるブラジャーをしたくないという方も多いでしょう。このような場合は、通気性や着け心地の良いスポーツブラがおすすめです。
3-3.長時間前傾姿勢で過ごしている
長時間、前傾姿勢(猫背)で過ごしていることも、クーパー靭帯が傷付く大きな原因です。前傾姿勢はバストが下向きがちとなり、重心も下がっています。つまり、常に前傾姿勢で過ごしている方は下方向ばかりに負担をかけていることになり、バストトップが下がりやすくなります。
前傾姿勢は一度癖がつくと、なかなか修正することができません。前傾姿勢気味となっている方は、意識的に背筋を伸ばしたり前傾姿勢の矯正アイテムを使ったりして改善を試みましょう。
下記の記事では、日常生活で気をつけるべき正しい姿勢や日常生活での改善方法について詳しく説明をしているのでぜひご覧ください。
3-4.バストの筋力が低下している
バストを支える土台となる筋肉が大胸筋です。日頃からストレッチなどで鍛えている場合は問題ないものの、大胸筋は日常生活においてさほど使われる筋肉ではありません。
大胸筋の筋力が衰えると、それだけクーパー靭帯にも負担がかかりやすくなります。反対に、大胸筋を鍛えるとバストを支える力が強まり、クーパー靭帯の負担も最小限に抑えることが可能です。
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3-5.加齢により肌や組織が劣化している
肌や筋力、クーパー靭帯などの組織は加齢により劣化します。肌や筋力が劣化すると、バストを支える力が弱くなるため、クーパー靭帯への負担もそれだけかかります。
特に、妊娠・出産・育児を経た女性は、乳腺が発達するなどの変化によりクーパー靭帯のダメージも強い傾向です。クーパー靭帯自体も加齢により劣化するため、バストのたるみがさらに加速すると言えるでしょう。
4.クーパー靭帯が損傷したか判断する方法
クーパー靭帯はアキレス腱のように、伸びたり切れたりすると痛みを伴う組織ではありません。傷付いても痛みを感じない上に肌が赤くなるなど外見的な変化もないため、クーパー靭帯が切れたり伸びたりしたのかを正しく判断する方法はないと言えます。
クーパー靭帯が損傷したときに自覚症状を覚えるのは難しいです。しかし、バストの状態を観察することで、クーパー靭帯の現状をある程度判断することはできます。
以下では、クーパー靭帯が損傷したかを判断する方法をいくつか紹介します。
4-1.左右のバストの位置が離れているか
クーパー靭帯が損傷してバストが垂れると、左右のバストの位置が離れる傾向にあります。バストトップの位置が下向きでバストが脇や背中に流れているという場合は、クーパー靭帯が損傷している可能性があります。
Dカップ以上で谷間ができない方や、バストとバストの間に距離ができ離れ乳になってきたと感じる方も注意が必要です。それぞれのバストがサイドを向いていることで起こるため、クーパー靭帯の支えが少なくなっているおそれがあります。
4-2.バストの位置が下がったか
正しいバストの位置とは、鎖骨の中心にあるくぼみとそれぞれのバストトップを結んだときの形が、正三角形になる位置です。クーパー靭帯の損傷によってバストが垂れると、バストトップの位置も一緒に下がるため二等辺三角形のような形になります。
もともとバストトップの位置が低いという方も中にはいますが、以前に比べてバストのボリュームが減ったと感じる方は要注意です。バストの丸みやハリがなくなったと感じる方も、クーパー靭帯が損傷している可能性があります。
4-3.バスト上部のボリュームが減ったか
バストは一般的に、脇の下やデコルテ辺りからふくらみが始まります。バスト上部のボリュームが以前に比べてなく削げ乳になっているという場合は、クーパー靭帯の損傷が原因だと考えられます。
バストの形がもとから三角形型の方はデコルテに脂肪がないことが特徴のため、バスト上部のボリュームでクーパー靭帯が損傷しているかを判断するのは少し難しいです。ただし、バストが三角形型の方であっても、バストが下垂していなければバストトップは上向きになります。バストトップが下がっているという場合は、クーパー靭帯が損傷しているおそれがあります。
5.クーパー靭帯を守る方法
クーパー靭帯は一度損傷するともとに戻らないため、日常的にクーパー靭帯を傷付けない生活を送ることが大切です。バストの位置は年齢とともに下がる傾向にありますが、クーパー靭帯の損傷を予防すればバストの下垂対策にもつながります。
以下では、クーパー靭帯を守る方法をいくつか紹介します。
5-1.サイズの合ったブラジャーを付ける
ブラジャーのサイズが大きすぎても小さすぎても、クーパー靭帯に負担をかけてしまう原因となります。ブラジャーのサイズが大きすぎるとバストをしっかりサポートできず、ブラジャーの中でバストが動いてクーパー靭帯に負担をかけます。小さすぎると締め付けが強いことから血行不良となり、思春期の場合はバストの成長を妨げる原因ともなるでしょう。
「いつも着用しているブラジャーの着け心地が、なんとなく良くない」と感じている方は、バストに適したサイズのブラジャーを着用できていないかもしれません。一度、下着屋さんでバストサイズを測ってもらい、ジャストサイズのブラジャーを着用しましょう。
バストサイズ の測り方やブラジャーの選び方についてより詳しく知りたい方はコチラをご覧ください↓↓
5-2.正しくブラジャーを着用する
ブラジャーのサイズが正しくても、付け方が間違っているとブラジャーからバストがはみ出すなどクーパー靭帯の損傷につながります。ブラジャーを正しい位置で着用し、きれいなバストの形をキープしましょう。
以下は、正しいブラジャーの着用方法です。
1. | ストラップを肩にかけ、前かがみになってカップのワイヤーをバストのバージスラインに合わせる。カップの中にバストを入れて、ホックを留める。 |
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2. | 前かがみで右側のストラップの付け根を右手で少し浮かせ、左手で右のバスト全体を包みながら脇側から中央に向かってやさしく持ち上げる。 |
3. | 体を起こし、ストラップの長さを指が1本楽に通るくらいに調節する。 |
4. | 2.と3.を反対側も同じように行い、ブラジャーを着用する。 |
バージスラインにワイヤーが食い込んだり、カップ上部や脇・ブラジャーの中心が浮いたりしていなければ、正しく着用できています。アンダーバストやストラップがきつい場合は、丁度よい長さに調節しましょう。
5-3.食生活・生活習慣を見直す
食生活や生活習慣の改善も、クーパー靭帯を守ることにつながります。食生活の改善では、クーパー靭帯は主にコラーゲンでできているため、コラーゲンを摂取することが効果的です。コラーゲンはアミノ酸とビタミンCを材料に鉄分の助けがあって合成されるため、それぞれの栄養素を日常的に意識して摂取するとよいでしょう。
以下の表では、アミノ酸とビタミンC、鉄分が多く含まれている食品をまとめました。
アミノ酸 | 鶏肉、牛肉、卵、マグロ、カツオ、アジ、サンマ、大豆、チーズ |
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ビタミンC | 赤ピーマン、黃ピーマン、ブロッコリー、菜の花、トマト、キウイ、ベリー類、柑橘類 |
鉄分 | レバー、アサリ、しじみ、牛肉、砂肝、イワシ、カツオ、豆乳、小松菜、ひじき、厚揚げ、納豆 |
成長に大切な時期である思春期の場合は特に、しっかり睡眠をとり、ストレスをためない生活を心がけることも大切です。食生活が荒れていたり睡眠時間が短かったりする方は、少しずつ生活に取り入れてみましょう。
下記の記事では、バストアップに効果的な食べ物や飲み物など栄養素の説明をより詳しく説明しているため、ぜひご覧ください。
5-4.スポーツブラを着用して運動する
ブラジャーを着用していない、あるいはバストサイズに適したブラジャーを着用せずに運動をしたときは、クーパー靭帯に負担が大きくかかります。そのため、運動をするときはスポーツブラの着用が必須です。
しかし、スポーツブラとひとくちに言っても、多彩な種類が存在します。ストレッチや軽い運動程度であれば幅広いスポーツブラに対応可能です。激しい運動をする場合はバストがなるべく揺れないようにきちんと固定されるスポーツブラがおすすめです。
5-5.優しくマッサージをする
バストマッサージは、必要以上にやったり強い力でしたりすると、かえって肌や組織を傷付けて逆効果につながります。マッサージをする際は必ずクリームを塗布するなど、正しいバストケアを行いましょう。なお、マッサージの他、日頃から正しい姿勢で過ごすだけでもある程度の筋力が鍛えられます。
正しいマッサージ方法やお悩み別のバストケアをより詳しく知りたい方は、ぜひ下記記事もご覧ください。
5-6.筋トレをする
クーパー靭帯は大胸筋とつながっているため、大胸筋を鍛えると発達した大胸筋がクーパー靭帯を引き上げます。クーパー靭帯が発達した大胸筋によって引き上げられることで、バストがより上向きになるためバストアップ効果が期待できるでしょう。
大胸筋を鍛える方法には、さまざまなトレーニングがあります。以下では、多くのトレーニングから2つピックアップして紹介します。
■壁腕立て伏せ
1 | 壁から30cm程度離れたところに立ち、肩幅より少し広めに腕を伸ばして両手を壁に付ける。脚は肩幅に開く。 |
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2 | 背中はまっすぐに保ち、息を吸いながら肩甲骨を引き寄せるように肘を90度程度に曲げる。 |
3 | 肘がピンと伸びきらない程度に、息を吐きながら肘を伸ばす。 |
4 | 2.と3.の動作を繰り返す。1セット10〜15回をし、1日3セット程度行う。 |
■合掌ポーズ
1 | 背筋を伸ばし、脇は開いた状態で胸の前で手のひら同士を合わせる。 |
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2 | 1.の状態のまま自然な呼吸でゆっくり手のひら同士を押し合い、20秒キープする。 |
3 | 10秒休憩した後に、再度20秒キープを3セット行う。 |
下記記事では、バストアップに効果的な筋肉やトレーニング法についてより細かく紹介しています。バストアップのために大胸筋を鍛えたい方は、ぜひご覧ください。
5-7.ナイトブラを着用して寝る
就寝中は、ブラジャーを着用しないという方も多くいます。しかし、就寝中の仰向けや横むけの体勢や寝返りをうつだけでも少なからずクーパー靭帯にダメージがかかっていることが事実です。
特に、同じ方向で寝る癖がついている方の場合、一定の方向にクーパー靭帯が伸びてバストの形が偏る可能性もあります。これは、バストの形や大きさが左右非対称の方に多い原因です。
寝るときは、なるべくバストサイズに適したサイズのナイトブラを着用して寝ることを心がけましょう。締め付けが苦手な方はノンワイヤーブラがおすすめです。
まとめ
クーパー靭帯は、コラーゲンが主成分の結合組織です。バストのたるみを支える役割を果たしており、美しいバストを維持するために欠かせないものとなっています。しかし、負担に弱いことが特徴で、一度切れると修復できないことに注意が必要です。
クーパー靭帯が伸びてバストが垂れてしまった場合は、ジャストサイズのブラジャーを常時着用し、食生活や生活習慣を見直してみましょう。
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